住宅ローンが完済したら、忘れずに抵当権の抹消登記を行いましょう。抵当権の登記は、住宅ローンを完済しても、自動的には消えません。金融機関が抹消登記をしてくれる訳ではありません。ご自身で手続きをする必要があります。
そこで今回は、抵当権の抹消登記について解説してきます。
抹消登記とは
抹消登記(まっしょうとうき)とは、登記簿に記載されている登記事項を削除する手続きを指します。これは、例えば不動産の登記簿において、所有権の移転や抵当権の設定などの登記が不要になった場合に行われます。
具体的な事例としては以下のようなものがあります。
- 抵当権の抹消:住宅ローンなどの借入金を完済した場合
- 所有権の抹消:土地や建物が取り壊されて物理的に存在しなくなった場合
- 会社の登記の抹消:会社が解散した場合
抵当権抹消登記について
住宅ローンを組む場合や会社が融資を受ける場合など、お金を貸す人が、お金を借りる人の土地や建物に抵当権(ていとうけん)という権利を設定します。
借りたお金の返済が終わると、抵当権も同時に消滅します。しかし、登記簿上は、抵当権の抹消登記を申請しないと自動的には消滅しません。そのため、法務局に抵当権の抹消登記を申請します。
申請書
申請書のひな型は、法務局のホームページに掲載されています。
申請書に記載する項目は以下のような項目を記載します。
- 登記の目的(抵当権抹消(順位番号後記のとおり))
- 原因(返済した日付(和暦)の後に「弁済」または「解除」と記載します)
- 権利者(不動産の所有者)の氏名住所と押印(認印可)
- 義務者(金融機関)の氏名住所と押印(実印のみ)
- 申請年月日
- 申請する法務局
- 登録免許税(抹消する抵当権が設定されている不動産の個数×1,000円)
- 不動産の表示(不動産の所在、地番、地目、地積、床面積、抵当権の順位番号など)
※申請書が複数ページになる場合、申請人の契印が必要になりますのでご注意ください。
添付書面
申請書と一緒に提出が必要な書類は、次のような書類です。
弁済証書や解除証書は、原本還付請求をすることで手続完了後、返却してもらえます。
登記原因証明情報
登記原因証明情報とは、登記の原因となる事実や法律行為について記載された書類になります。
銀行作成の弁済証書や解除証書がある場合、それらの書類は登記原因証明情報のかわりになります。弁済証書や解除証書を作成していない場合、返済をした事実を記載した書類を作成する必要があります。
委任状
銀行等の金融機関が抵当権者となっている場合、金融機関が不動産の所有者に抵当権抹消登記を委任します。委任者にご自身の名前を記載してください。
権利証(登記識別情報通知)
金融機関が所有している権利証(登記識別情報通知)が必要になります。登記識別情報通知は封筒に入れ、封をする必要があります。封筒の表面に、登記識別情報通知を提供する申請人(金融機関)の商号、登記の目的(抹消の場合、抵当権抹消)、登記識別情報通知が在中する旨を記載しておきます。
添付した登記識別情報通知は、手続完了後に法務局で廃棄されます。
廃棄されたくない場合、登記識別情報通知下部にある袋とじ部分のミシン目をはがし、12桁の暗証番号がわかる状態でコピーを取り、そのコピーを封筒にいれてください。手続で必要になるのは、12桁の暗証番号のため、コピーで問題ありません。
権利証(登記識別情報通知)を紛失している場合は、コチラをどうぞ↓
登録免許税
抵当権抹消の登録免許税率は、抹消する抵当権が設定されている不動産の個数×1,000円になります。
計算した登録免許税額に相当する収入印紙を法務局の証明書発行窓口で購入し、A4の白紙用紙に貼付けて申請書と合わせてホッチキス止めをし、その合わせ目に申請人が契印をします。
登録免許税の計算方法について、詳しく知りたい方はコチラをどうぞ↓
その他
住所変更登記が必要な場合がある
抵当権が設定されている不動産の所有者の住所が変わっている場合、抵当権抹消登記の前に、不動産の所有者の住所変更登記が必要になります。住所変更登記は、抵当権抹消登記を一緒にすることもできます。
抵当権移転登記
金融機関に合併があると、抵当権抹消登記の前に、抵当権移転登記が必要な場合があります。抵当権移転が必要な場合、金融機関より抵当権移転に必要な書類も貰えますので、抵当権抹消登記の書類を受領したときは、書類の中身を確認してください。
最後に
抵当権抹消登記は、簡単な登記です。本ページを参考にしながら進めて頂ければ思います。もし、ご自身で難しい場合、津市のみずたに司法書士事務所までご相談ください。